赤いゼラニウムが咲く頃に
花言葉は・・・



帰りのHRが終わり、急いで校門に向かう。



帰りはいつも一人だったから、誰かと帰るのが、日和は楽しみだった。



校門の端で待つ、見覚えのある後ろ姿。



「いちるーっ!」



後ろからドンッと驚かす。



びっくりしたなあもう。と呆れた顔で、一縷は笑った。そのまま2人は日和の家へ向かう。











しばらく歩いていると、日和が話を始めた。





「そういえばね、メモ見て思い出したんだけど、誘拐事件と私の見た未来が、関係あるかもしれないの。」



「え?どういうこと?」



一縷は目を見開き、メモを見せてもらった。拾った時に目を通さなかったのは、勝手に見ていいものか迷ったからだ。少しだけ覗いてしまったのは事実だが。



そこに書かれていたのは、今まで誘拐された子達の制服姿と一致するものだった。そして、場所の特徴や、犯人の放った言葉、服装、容姿など、事細かに書かれていた。



他にも、事件とは別の未来も書いてある。しかし、こうも連続で女子高生関係の未来が見えているとするなら、未然に防ぐことも探し出すことも充分可能かもしれない。



「日和、未来ってどんな時に見えるの?」



「いやあ、見ようと思って見れるわけじゃないんだよね。でも、睡眠が浅い時とか、ぼーっと考え事してる時が多いかな。」



そうか、だとしたら、見ようとは思わなくとも、余計なことを考えていない時に見えるのかもしれない。と、一縷は考えた。



「日和、突然で申し訳ないんだけど、家にお邪魔してもいい?」



「えっ、、まあ、、、お母さんが居てもいいなら、、「いいよ!!!!行こう!!!!」



食い気味に答えると、一縷は足早に日和の家へと向かった。



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