赤いゼラニウムが咲く頃に


お待たせ。と日和がお茶を持ってきてくれた。



さて、何から話そうか。




「日和がさ、ぼーっとしてる時とかに未来が見えることが多いって言ってたでしょ?」



だからさ、と一縷は真剣な眼差しで、



「座禅でも組まない?」



と、提案した。



突拍子もない提案に、日和はぽかんとした顔をしていた。


しかし、一縷の言いたいことはわかった。頭の中を空っぽにすれば、未来が見えるかもしれない、という仮説を立てたのだろう。


でもなぜ、一縷はそれほどまでにこの事件を調べたがるのか。気になるが、聞いていいものなのか悩んでいた。


「これは憶測なんだけど、何も考えていない時に未来が見えるなら、頭を空っぽにして集中すれば、もっと未来が見れるかもしれない。」



どうかな、と一縷は日和の顔を覗き込む。



すると日和は、気まずそうな顔で呟いた。



「一縷は、、なんでこの事件のこと知りたいの?なんで調べてるの?というか、一縷って何者?」



今まで何も知らずに一緒に居たけど、日和は一縷のことを何も知らない。一縷は日和のことを何故か知っている素振りを見せるのに。どこかで会ったことがあるのか。それとも_____







「もしかして、私のストーカー?」












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