赤いゼラニウムが咲く頃に
【一縷side】
日和から、突然放たれた一言。
(もしかして、私のストーカー?)
思考が停止する。ストーカー?僕が?なぜ?
日和の疑っている顔を見て、思わず吹き出した。
「僕がストーカー?何言ってるの?(笑)」
そんなわけないじゃん、と笑って返すが、日和はまだ疑っているようだ。
「大体、日和のストーカーなら、もっとバレないように情報を集めたりすると思うけど。」
でも僕は違ったでしょ?と言うと、日和は少し納得したような顔をした。
じゃあなんで、と日和が言いかけたところで話を遮る。
「とりあえず、どうする?本当にこの仮説が立証されるなら、日和にはどんな辛い未来でも、見てもらわなきゃいけない。」
日和は少し悩んでいたが、黙って頷き、了承してくれた。
それじゃあ始めよう、と僕も一緒に座禅を組む。
「なにか見えたらすぐに教えて。もし辛くなったら、すぐにやめてね。日和に負担はかけたくないから。」
わかった。とだけ返事をし、日和は目を瞑った。