赤いゼラニウムが咲く頃に
ガヤガヤと騒がしい教室。
窓際では女子達が朝練をする先輩を見てはしゃぎ、教室の前では一軍女子がお菓子を食べながら騒いでいる女子の悪口を言う。
真ん中あたりでは男子たちが集まりスマホ画面に集中、ゲームでもしているんだろう。
端っこで読書をしている人もいれば、イヤホンをつけて音楽を聴いている子もいる。
その中を突っ切って走ってくる女子も。
「日和ちゃんおはよ〜!」
「おはよ〜。」
「相変わらず男子は騒がしいね〜(笑)」
「まあ、男はいつまで経っても子供ってお母さんも言ってたし、そんなもんなんじゃない?(笑)」
そんな話をしながらロッカーにお財布をしまう。全校集会がある日はロッカーに入れるのが決まり。
「おい待てよっ!」
「取れるもんなら取ってみろ〜!っはは!」
少し遠くから声がする。また男子たちが追いかけっこしているんだろう。
どこかで聞いた声だな、と思ったが、クラスメイトの声だ。聞いたことあるに決まっている。
そう思い、立ち上がりスカートを直した時、ふと、目に留まる。
あれ?この花瓶とお花、、どこかで、、
と、同時に、男子が走ってこっちに向かってきた。
まずい。このままだと私に__________
ガラスの割れる音とほぼ同時に、水が床に溢れた。
、、、うっわ、最悪だ。
「ちょっと!花瓶割れちゃったし!日和ちゃんに水かかったし!謝って!てか、ぼーっと見てないで片してよ!もう!」
とりあえず友達が怒ってくれたし、私は着替えに行こう。というか私、この未来見えてたのになんで気づくの遅いの?!最悪な日だ、、
「あ、あの、藤、ごめん、、はしゃぎすぎた、、」
「あ〜、まあ、スカート濡れただけだし大丈夫。気にしないで。」
そんな気まずい顔されたら許すしかないじゃん。私が人に怒れないだけなんだけどさ。
とりあえず、着替えよう。
彼女はそのまま、ロッカーからジャージを取りだし、更衣室に向かった。