赤いゼラニウムが咲く頃に




家に着き、ただいまも言わず部屋にそそくさと入る。



どうしようどうしようどうしよう。

今まで見た未来をメモして、共通点とか、未来が見える原因とか、何か少しでもそういうの見つけられたらなって思って残しておいたのに。


なんか変な人だったし、話長引かせたくなかったからメモ受け取らずに帰ってきちゃった。


待てよ?冷静に考えるとメモ渡すために名前とか学年聞くか?


、、、やっぱり変な人じゃなくて不審者じゃん。名前教えちゃったよ〜、、


とりあえず、個人情報教えちゃったのは私の不注意だ。とにかく今はメモをどうにかして返してもらわなきゃ。


メモの内容まで見られたら個人情報ダダ漏れだし、SNSで拡散なんてされたら私が変な人になる、、、




彼女はだいぶ焦っていた。過去に変な子扱いされた経験があるからか、人目は人一倍気にしていた。



しかも相手は初対面の不審な男。



このご時世、何があるかわからないのだ。



高校生にもなって知らない人に名前を聞かれて答えてしまうなんて、、、



バカにも程がある、、、、。



なんて自分を責めても仕方がないのだが、今まで学校で教わってきたことを何も学べていないのだと落ち込んだ。



「ってダメダメ。悪いことばっかり考えるのは良くない。とにかく明日どうするか考えよう。」



< 4 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop