契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「お前…いつから起きてんだ?」

「俊吾が起きる前から…」

「俺の寝顔見てたのか?」

「うん」
私は意地悪笑って見せた。
「何だか…久しぶりに見たな…杏南のココロから笑ってる顔」

俊吾は私の頬に触れ、軽くキスをする。

「俊吾だって…」

彼はカラダを起こし、サイドテーブルの置いた眼鏡とiPhoneを手に取った。

そして、ベットから出てボクサーパンツ姿でバスローブを着こむ。

「リリカル、起きたぞ」

「了解しました」

「杏南…俺達はようやく結ばれたけど…無理は禁物だぞ。君の病状がかえって長引くかもしれないからな」


「俊吾…」

「・・・わかったな」

彼は返事しない私にもう一度念を押した。

「うん」
彼は男として満たされていないと思うのに、私への気遣いは忘れなかった。
「俊吾…ダイスキ」

「…俺もスキだぞ。杏南」



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