契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「何だか…お互いに嬉しそうですね…何かありました?」

黒崎さんは私と俊吾の間の変化にいち早く気づく。

「まぁな」

俊吾は一言で済ませ、バケットを齧った。

「良かったです。ずっとなんだか…お二人は悩ましげでしたから…私もこうして仲良くされているお二人を見ていると幸せです」

黒崎さんの瞳には涙が滲んだ。

「黒崎さん!?」

「本当に涙脆いヤツだな…黒崎は・・・」

俊吾は呆れたように呟く。


「泣いてないで…コーヒーおかわりだ、黒崎」

「はいっ!ただいま・・・」

黒崎さんは涙を堪え、キッチンに戻った。



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