契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
二度目の夜
「ウチのパンよね…」

「はい…『ひなたぼっこ』のパンです…俊吾様のリクエストです…」

夕食は『ひなたぼっこ』のパンの食べ放題。

「あんぱん凄く多くない?」

「それも俊吾様のリクエストです…」

「黒崎さんも疲れていたのね…」

「いえ・・・」

私は一番好きなメロンパンに最初に食べる。

その間、黒崎さんは私にカフェラテを淹れてくれた。それもハートマークのラテ付き。

「これって…」

「ハートです」

「…昨日の夜は俊吾様とその…」

「あ・・・うん」

俊吾にはかなり気を遣わせた褥にはなったけど。

「俊吾様となら、上手くいけますか?」

「うん…」
でも、俊吾以外の男性は無理かもしれない。

「何があっても、俊吾様は貴方を守ってくれますよ。この黒崎だって…杏南様をお守りします」

「ありがとう…」

黒崎さんの俊吾に対する忠誠心は完璧だった。

「浩平兄が…黒崎さんには女性の話が全く出て来ないって言ってたけど…」

「執事の仕事が忙し過ぎて…彼女は・・・お二人の仲が落ち着けば…作ります」

「そう?」

「はい」



< 109 / 224 >

この作品をシェア

pagetop