契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「あんなにダイスキだったあんぱん食べれなくなっていたなんて…悪いコトしたな。杏南」

「ううん…」
私は首を振った。

「・・・一口もダメか?」

「一口くらいなら、いけるかも」

俊吾は私に一口サイズに千切ったあんぱんを口に運んだ。

「ほら、あーん」

「あーん」
私が口を開けると俊吾はあんぱんを入れてくれた。
私は二十年振りに食べるあんぱんの味をモグモグと味わう。

「美味しい…懐かしい味だ…」

「もう一口いけそうか?」

「え、あ・・・」

彼はもう一口私の口にあんぱんを放り込んだ。

「お熱いコトですね…」

「今凄く熱いぞ。なぁー杏南」

「あ、うん」

「今度は口移しであんぱん食べるか?杏南」

「それはいい…」

「遠慮すんな・・・」

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