契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「どう言った話でしょうか?」

「単刀直入に言います。長谷川社長とは離婚して下さい」

「えっ?」

「貴方は単なるパン屋の娘。上流階級の世界とは無縁の女性。娘は挙式当日…秘書と駆け落ちしたけど。
秘書の梶原は娘を騙していたのよ…世間知らずのお嬢様だから…彼の嘘を見抜けなかったのよね…
長谷川社長には謝罪したけど…許して貰えなくて…可哀想に部屋にこもちゃって・・・」

俊吾はプライドの高い人。
許すはずがない。

「娘は騙されたと言っても…挙式当日のドタキャンは上流階級の世界では噂になってる。このままだと娘は行かず後家なる可能性が高い・・・だから、何としても長谷川社長と娘を結婚させたいの」

「でも、私は真剣に俊吾のコトを…」

「身分違いで苦労するのは目に見えているわよ…貴方」

「それは…」

「それに…貴方の実家のパン…風評被害で、売上落ちてるでしょ?」

「えっ?」

「これは慰謝料よ…」

工藤社長夫人は私に向かって封筒を投げつけた。

「此処には三百万入ってるわ…充子さんも貴方と長谷川社長の結婚は良くないと思ってますから…それに充子さんは私の娘と長谷川社長の結婚を推奨している」


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