契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
俺は仕事を定時で終わらせて東亜医科大付属病院に社用車で向かう。
病院に到着する頃には空はオレンジ色に色づいていた。
季節は秋となると頬を撫でる風も少し冷たい。
俺はVIP病棟の彼女の病室を一人で訊ねた。
「あら…長谷川社長…亜優のお見舞いに来て下さったのね」
「亜優さんの具合はどうですか?」
「えぇ~大丈夫よ…」
俺は差し入れに淡路の用意した花カゴを渡した。
「ありがとう御座います…」
亜優さんはカラダを起こし、何も言わず俺を見つめた。
「私はお邪魔よね…亜優、お母さんは少し外に出るわ」
夫人は俺達に気を利かせて廊下へと出て行った。
「自殺未遂とはどう言うつもりだ?」
俺は黙り込む彼女に冷たく言い放つ。
「自殺未遂と騒いでるのは両親だけです…眠れないから…睡眠薬を過剰に飲んで…意識を失っただけです…」
「なら、どうしてそう説明しない?おかげで俺は君の父親に責められた…」
「説明しましたが…二人とも私の言葉に耳を傾けてくれなくて…」
「どっちにしても…君は自殺未遂を起こしたと周囲は思ってる。君は箱入り娘だし、両親は俺と結婚しないと君は一生結婚出来ないと思って、躍起になっている」
「俊吾さん、申し訳ありません…」
「…何度も言うようだけど、俺には妻がいる。俺は彼女と離婚して、君と結婚する気はない。
此処に来たのも、君と話をする為だ…」
「俊吾さん・・・」
「…俺ではなく、梶原を選んだのは君だ。もっと自分自身の行動に責任持ってくれ。君に言いたかったのはそれだけだ。亜優さん」
「俊吾さん・・・」
亜優さんは俺に縋るような視線を向けた。
病院に到着する頃には空はオレンジ色に色づいていた。
季節は秋となると頬を撫でる風も少し冷たい。
俺はVIP病棟の彼女の病室を一人で訊ねた。
「あら…長谷川社長…亜優のお見舞いに来て下さったのね」
「亜優さんの具合はどうですか?」
「えぇ~大丈夫よ…」
俺は差し入れに淡路の用意した花カゴを渡した。
「ありがとう御座います…」
亜優さんはカラダを起こし、何も言わず俺を見つめた。
「私はお邪魔よね…亜優、お母さんは少し外に出るわ」
夫人は俺達に気を利かせて廊下へと出て行った。
「自殺未遂とはどう言うつもりだ?」
俺は黙り込む彼女に冷たく言い放つ。
「自殺未遂と騒いでるのは両親だけです…眠れないから…睡眠薬を過剰に飲んで…意識を失っただけです…」
「なら、どうしてそう説明しない?おかげで俺は君の父親に責められた…」
「説明しましたが…二人とも私の言葉に耳を傾けてくれなくて…」
「どっちにしても…君は自殺未遂を起こしたと周囲は思ってる。君は箱入り娘だし、両親は俺と結婚しないと君は一生結婚出来ないと思って、躍起になっている」
「俊吾さん、申し訳ありません…」
「…何度も言うようだけど、俺には妻がいる。俺は彼女と離婚して、君と結婚する気はない。
此処に来たのも、君と話をする為だ…」
「俊吾さん・・・」
「…俺ではなく、梶原を選んだのは君だ。もっと自分自身の行動に責任持ってくれ。君に言いたかったのはそれだけだ。亜優さん」
「俊吾さん・・・」
亜優さんは俺に縋るような視線を向けた。