契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
私は会社を休み、俊吾に付き添った。

「社長、ノートパソコンとタブレットです…来週の本社への出張がどうされますか?」

「予定通り行く…その旨で手配をしてくれ」

「承知しました」

「出張?」

「あ…本社のニューヨークに一週間程出張する…悪いけど…遊びじゃないから…君は同行させられない」

「分かってます・・・」

「でも・・・来週は確か・・・俊吾の誕生日が…」

「そっか…誕生日は別々に過ごすコトになるのか…」

「AIに言われた三十一歳までに子作りは…達成できなかったな…」

「でも・・・努力はしたじゃない」

「そうだな…寝る間も惜しんで、君を抱いていたから…倒れたのかな?」

「・・・私が悪いの?」

「かもしれない…君の欲求が激しいから…」

「俊吾!?」

淡路さんが頬を染め、咳払いして、私達の会話に水を差す。

「淡路、居たんだな…もう帰っていいよ…」

「言われなくても帰ります・・・新婚さんはこれだから…困ります」

「お前だって奥さんと新婚時代あったんだろ?」

「ありましたよ…当たり前です…」

「淡路さんって…ご結婚されているんですね…」

「もうすぐ、子供が生まれるんだ・・・なぁ?淡路」

「はい、まぁ…ウチのコトよりも、社長、無理はしないでくださいね…」

「分かってる。サンキュー淡路」





< 144 / 224 >

この作品をシェア

pagetop