契約ウエディング～氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う～
彼女が挙式当日に他の男性と駆け落ちしなければ、俊吾の隣で永遠の愛を誓ったのは亜優さん。

俊吾と何事もなかったように話す亜優さんを脇目に少しだけ嫉妬した。


「俊吾さんともっとキチンと話が出来れば良かったのに…」


「俺は君に話をする気などなかった。子供を産ませるだけの道具にしか思ってなかった…」

「・・・貴方も酷い男だったんですね…」

「まぁな・・・」

「貴方は最後まで私にとっては『氷の御曹司』ですね…」

「そうだな」

彼は終始、亜優さんには寄り添うキモチは見せなかった。


「両親は私と俊吾さんの結婚の話は諦めると思います」

「ありがとう…亜優さん」

「私はこれで…」

亜優さんは私達に一礼した。

そして、私に向かって「俊吾さんの氷を溶かした女性をひと目見たかったんです。貴方は私に会いたくないと思いますが、私は貴方にどうしても会いたかった」と言った。


「私も貴方に会いたかったです。本来の俊吾の花嫁も貴方に…」

互いに微笑み合った。

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