契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
妊娠
俊吾は一週間のニューヨーク出張から帰国した。
「三十一歳の誕生日おめでとう…俊吾」
「杏南、ありがとう…」
俊吾は私に『ティファニー』の紙袋を渡した。
「お土産だ…」
「いいのに…」
「早く、開けてみろよ」
彼は性急に急かした。私はソファに腰を下ろし、紙袋の中に入っている二つの箱を取り出した。
一つは動物柄のベビー用のスプーンとフォークのセット。
もう一つはハート形のダイヤがあしらわれたプラチナのネックスレス。
「これは俺達の赤ちゃん用。ネックレスは君用だ。着けてあげるから…髪を少し上げて…」
「うん」
私は言われるままに長い髪を手でアップにして押えた。
すると、俊吾がネックレスの留め金を外し、私の首許に着ける。首に一瞬ヒヤリとした感覚が走った。
「はい、着けたよ」
「ありがとう・・・」
「もう少し大きめでも良かったんだけど…普段身に着けて欲しいから…これにした」
「素敵よ」
「このスプーンとフォークのセットも可愛いわね…」
「あぁ」
「まぁ、赤ちゃんは出来なかったけど…願いを込めて…買った」
「その話なんだけど…」
「三十一歳の誕生日おめでとう…俊吾」
「杏南、ありがとう…」
俊吾は私に『ティファニー』の紙袋を渡した。
「お土産だ…」
「いいのに…」
「早く、開けてみろよ」
彼は性急に急かした。私はソファに腰を下ろし、紙袋の中に入っている二つの箱を取り出した。
一つは動物柄のベビー用のスプーンとフォークのセット。
もう一つはハート形のダイヤがあしらわれたプラチナのネックスレス。
「これは俺達の赤ちゃん用。ネックレスは君用だ。着けてあげるから…髪を少し上げて…」
「うん」
私は言われるままに長い髪を手でアップにして押えた。
すると、俊吾がネックレスの留め金を外し、私の首許に着ける。首に一瞬ヒヤリとした感覚が走った。
「はい、着けたよ」
「ありがとう・・・」
「もう少し大きめでも良かったんだけど…普段身に着けて欲しいから…これにした」
「素敵よ」
「このスプーンとフォークのセットも可愛いわね…」
「あぁ」
「まぁ、赤ちゃんは出来なかったけど…願いを込めて…買った」
「その話なんだけど…」