契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「そうだ・・・君に話しておきたいコトがある…」

「何?」

「俺は年内で『リバティジャパン』の社長を退任する」

「えっ!?もしかしてクビ?」

「クビじゃない・・・ヘッドハンティングされたんだ…日本のIT企業『ナショナルデータ』に…」

「・・・」

「官公庁などの国のITシステムに携わる会社の副社長職だ。俺が手掛ける最初の仕事は国家的な壮大なプロジェクトだ・・・詳しくは言えないけど…世界からITの上では後れをとってる我が国にとっては大きな仕事になるし、遣り甲斐はある・・・」

「俊吾…」

「ゴメン…一人で決めてしまって…でも、俺はプライベートにビジネスの話は持ち込みたくなんだ・・・」

俊吾は余りビジネスの話はしなかった。
家は寛ぎ場所。そう彼は位置付けている。

「分かったわ…頑張ってね…」

「ありがとう…杏南」








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