契約ウエディング～氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う～

「実はうちの息子も『ナショナルデータ』の社員で…今はＳＥとして従事しています」

「そうだったんですか…」

ベンチャー企業を立ち上げたと柊さんの情報にはあったが・・・会社、潰したんだな。経営者の才はなかったのか。
そして、父のコネで『ナショナルデータ』に就職か…

同じ会社とは余り嬉しくない話だが。

「名前は酒井亨彦と言います。本社勤務なので、何かの機会で会うコトあると思いますが…会ったら、目を掛けてやってください」

「・・・」

「『ナショナルデータ』とは酒井のご子息もなかなかのエリートだな…」

「いえ・・・」

酒井衆院議員が次の内閣改造で入閣入りすると噂は訊いたが。事実か・・・
総理が、俺達を引き合わせたのは次のＩＴ担当大臣は彼に決めるつもりなのか…

全く嬉しくない話だな…