契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
政治家の忖度には呆れる。
俺は嫌悪感を示し、淡路の運転で帰路につく。

「淡路、ありがとう」

彼もまた『リバティジャパン』の社長秘書を退職。
この俺に付いて来てくれた。
淡路は俺が『ナショナルデータ』の副社長就任した暁には再び秘書と就く。
マンションの前のエントランスの入り口で車から下りた。

師走ともなれば、顔を掠める夜風は突き刺さるように冷たさ。

「寒いな…」
吐いた息は白く濁った。
「もう冬ですからね…」

妻の杏南が妊娠し、俺は会社を退職し、転職。

子供の誕生は嬉しいけど、来年は波乱の年になりそうだ・・・


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