契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
パーティーの夜
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妊娠五か月目の安定期に入った。吐く悪阻ではなくお腹が空くとキモチが悪くなる食べ悪阻だった私は三キロも体重を増加させてしまった。

「すまないな…」

「いえ」

今夜は、俊吾の副社長就任パーティ。
場所は『ドラゴンホテル・東京ベイ』の大広間で午後七時からの開催予定。

「本当にこれでいい?」

「あぁ」

私は妊婦の為、お腹周りのゆったりとしたネイビーのエンパイアドレス。

「これを着けろ」

と彼が持って来たのはイタリアのハネムーンで奪われたブルガリのブレスレットと同じコレクションシリーズの花柄のネックレス。

「これって…」

「三月の誕生日には早いがプレゼントだ」

「俊吾…!?でも、これ…」

「金額は気にするな…」

彼はいつも着けているティファニーのネックレスを外し、ブルガリのネックレスを着ける。

「大ぶりのネックレスは存在感があるな…大切な俺の就任式だ。妻である君には着飾って貰わないと」

「はい…」

彼はシャツの袖口にダイヤのカフスボタンを着け、自分の準備に取りかかる。







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