契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「・・・国の未来を考えるなら、当然だろ?民間企業では通用しないコトが政界ではまかり通るっている。政治家は自身の発した言葉に行動にも一切責任を取らない。影で暗躍して、逃げるばかりだ。何処かで変わらないと…この国はダメになってしまう。そう思うわないか?長谷川副社長」

「周防総理…」

「酒井は同じ党内の議員だ。このような不祥事が公にすれば…色々と野党の追及を受け、国会は荒れるだろうな…」


「・・・支持率だって下がりかねないですよ…」

「そうだな…」

「周防総理の言葉には賛同しますが…今、ようやく政権が安定し、支持率だって…隠密にコトを進め、酒井衆院議員を辞職に追い込む方がいいかと考えます」

「・・・次の選挙で、政界に来ないか?長谷川副社長」

「政治には興味ありません…」

「君に興味がなくても…国民が君のような若く誠実な人間を望んでいると思うぞ…」

「・・・」

「柊君、君は『ナショナルデータ』に出向し、長谷川副社長のボディガードとして就くんだ。いいな…」

「承知しました…総理」

「ボディガードって…」

「君だって…データの中身を見たんだろ?酒井が中国マフィア『王龍(パイロン)』のフロント企業と繋がっているコトは把握済みだろ?」

< 193 / 224 >

この作品をシェア

pagetop