契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
産婦人科医局を訊ねた。
「槇村先生をお願いします…」
医局に居た看護師に声を掛けた。

「槇村先生ですか…少しお待ちください…」

医局には槇村先生の姿が見えなかった。

「すいません…槇村先生のPHSに電話を掛けます、もう暫くお待ちください…」

「はい…」

「申し訳ありません…自分で立ち寄れと言っておきながら…」
槇村先生がPHSを耳に当てながら、俺の前に走り込んで来た。

「待って下さい・・・今直ぐに出生証明書渡しますから…」

「今日は会社休みなので、時間はたっぷりあります。そう慌てないで下さい…」

槇村先生は医局の奥へと引っ込んだ。

「最近、槇村先生元気ありませんね…」

「え、あ…まぁ…色々とありまして…」

俺はさりげなく探りを入れた。
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