契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「お正月早々から喧嘩ですか?お熱いコトで…」

「訊いて下さい!!黒崎さん…お年玉に三万円って…多いですよね…」

「誰のお年玉ですか?」

「雄平君ですよ…」

「あ…それは多いですね…」

黒崎さんは私に同調してくれた。
「・・・黒崎…お前は俺が杏南と結婚してから・・・ずっと杏南の味方だな…」

「・・・そうですか?」

黒崎さんはすっとぼける。

「・・・」
俊吾は下唇を噛み締めて拗ねてしまい、書斎に引っ込んでしまった。

「杏南様は幾ら入れたんですか?」

「三千円です…」

「それは…少ないですね…俊吾様はケチ臭いと思われるのが一番嫌なんです。此処は俊吾様の顔を立てると思って…一万円で手を打ちましょう…」

「一万円ですか…」
多いけど…仕方がない。
正月早々から甥のお年玉で揉めるなんて…思いもよらなかった…

まだまだ・・・俊吾の金銭感覚には付いていけない私だった…

                        END

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