契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「じゃ行って来るぞ。杏南」
俊吾さんは私の額にチュッと軽くキスをした。
私の顔は益々赤くなりヒートアップしてしまい、脳震盪でも起こしたかように一瞬目の前は暗くなり、彼へとよろける。
「だ、大丈夫か?杏南」
俊吾さんは急に戸惑い、慌てた口調で言うと、暫く私のカラダを抱き締めた。
不意に寄せられた彼の胸板から聞こえる心臓の音は速かった。
「あ、貴方が…いきなりキスなんてするから…眩暈を起こしただけよ」
私は心配そうに眼を細めて見つめる彼に気遣い、腕の中で説明する。
「何?俺が悪いのか?」
私の両肩に手を添え、ゆるりと優しく引き離し、色素の薄い瞳で見つめて問いかけた。
彼の吐息が頬を掠め、二人の密な距離に鼓動が跳ねる。
「その…早く行かないとダメなんでしょ?」
私がやんわりと引き離そうすると俊吾さんはギュッと抱き締めた。
「ち、ちょっと…俊吾さん」
先ほどまで、急いで支度をしていたのが嘘のよう。
「他の女とは違って…杏南は丁重に扱わないといけないようだな…君って意外とデリケートに出来てんだな」
「俊吾さん…離して下さい…」
「君をおいて出社するのは気が引けるな」
息も出来ないぐらい強く彼の腕の中に抱き締められ、このまま窒息死しちゃいそうになる。
「俊吾様」
黒崎さんが様子を見に部屋に来た。
「黒崎か…すまない…」
俊吾さんはようやく私のカラダを離した。
「お熱いコトで…」
黒崎さんは俊吾さんを冷やかすが、全く動じる気配がなかった。
「…杏南は少し眩暈を起こしてる。少し、休めさせてから実家の方に向かってくれ。黒崎」
「承知しました」
俊吾さんは私の額にチュッと軽くキスをした。
私の顔は益々赤くなりヒートアップしてしまい、脳震盪でも起こしたかように一瞬目の前は暗くなり、彼へとよろける。
「だ、大丈夫か?杏南」
俊吾さんは急に戸惑い、慌てた口調で言うと、暫く私のカラダを抱き締めた。
不意に寄せられた彼の胸板から聞こえる心臓の音は速かった。
「あ、貴方が…いきなりキスなんてするから…眩暈を起こしただけよ」
私は心配そうに眼を細めて見つめる彼に気遣い、腕の中で説明する。
「何?俺が悪いのか?」
私の両肩に手を添え、ゆるりと優しく引き離し、色素の薄い瞳で見つめて問いかけた。
彼の吐息が頬を掠め、二人の密な距離に鼓動が跳ねる。
「その…早く行かないとダメなんでしょ?」
私がやんわりと引き離そうすると俊吾さんはギュッと抱き締めた。
「ち、ちょっと…俊吾さん」
先ほどまで、急いで支度をしていたのが嘘のよう。
「他の女とは違って…杏南は丁重に扱わないといけないようだな…君って意外とデリケートに出来てんだな」
「俊吾さん…離して下さい…」
「君をおいて出社するのは気が引けるな」
息も出来ないぐらい強く彼の腕の中に抱き締められ、このまま窒息死しちゃいそうになる。
「俊吾様」
黒崎さんが様子を見に部屋に来た。
「黒崎か…すまない…」
俊吾さんはようやく私のカラダを離した。
「お熱いコトで…」
黒崎さんは俊吾さんを冷やかすが、全く動じる気配がなかった。
「…杏南は少し眩暈を起こしてる。少し、休めさせてから実家の方に向かってくれ。黒崎」
「承知しました」