契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
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私は黒崎さんと一緒に実家に戻った。

「おーっ!!結婚おめでとう!!杏南」
「おめでとう!!杏南ちゃん」

浩平兄は奥さんの葉月さんと共に私と俊吾さんの結婚を祝福した。

「浩平兄…私を黒崎さんに推すなんて酷いわよ」

「何だよ!?お前は俺に感謝しないのか?お前の初恋を成就してやったのに…」
私だって忘れかけていた初恋。
今まで彼氏が出来なかったのは俊吾さんのコトを想って出来なかったワケじゃない。
縁がなかっただけだし、四年前の出来事がトラウマになっていたから。

勘違いした浩平兄のせいで、私の人生設計が大幅に狂った。

「それは…私に一言ぐらい…相談してもいいでしょ?」

「何だ?俊吾のコト嫌いか?」

「・・・確かに彼が初恋の相手だけど…今は…」

でも、脳内に浮かぶのは俊吾さんの顔ばかり。

既に私の脳は彼のコトで埋め尽くされていた。
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