契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「大変です!!」

いつも、冷静な黒崎が真っ青な顔で控室に入って来た。

「どうした?黒崎」

「俊吾様…新婦の亜優様が恋人と駆け落ちしたそうです…今しがた、工藤社長夫妻から訊きました!!」

「新婦が駆け落ち??俊吾様。長谷川家の一大事ですよ!!」

父方の妹・充子叔母様も血相を変えた。

「このまま…挙式披露宴を決行しないと、長谷川家の威信に関わるぞ!俊吾」

充子叔母様の息子・大河さんが押し黙る俺を捲くし立てた。

「新婦の代役を立てれば…よろしいかと…」

「代役?」

「そうね…すぐに代役をホテルに相談して、手配しましょう」

黒崎の提案に充子叔母様も乗った。

「いえ・・・この私が代役を連れて来ます!!充子様」

「黒崎?当てがあるのか?」

「はい・・・この私にお任せに下さい!!俊吾様」

黒崎は左手を胸に当てドヤ顔で言い放った。

「分かった…新婦の代役はお前にお任せする。俺は工藤家の控え室に足を運び、詳しい事情を訊くコトにしよう」



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