契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「これで二人の世界だ…杏南」

「なっ…」

俊吾さんはニヤリと不敵な微笑を浮かべて、顔を近づける。
「ダメってば…」

「そんな風に甘い声出すなよ。かえって男を煽るだけだぞ。杏南」

「そんなコト言われても…私は・・・」

彼はシートベルト外し、私の座席にカラダを乗り出して来た。

「走行中はキチンとシートベルトを着けないと…」

「大丈夫、淡路は安全運転を心がけている…」

シートベルトで身動きできない私の唇をあっという間に奪い、強引にこじ開けて、口内を舌先で蹂躙していった。

継ぎ間に聞こえる甘い声と熱い吐息。
カラダの内側が急激に沸騰し、熱がこもっていく。

「オトナになった杏南はそんな風に物欲しげな女の顔もできるんだな…」


「私は別に…俊吾さんの…馬鹿…」

「これ以上とするとこっちも止められない…」

キスだけでこんな風にカラダが熱くなるなんて俊吾さんが女性のカラダを知り尽くしている証。

私の方が先に車から下りた。

「じゃあな・・・杏南…『ハートフルー』に着いたらラインを送る…」

「分かりました」

朝から激しいキスを落とされ、彼の顔が照れ臭くて見れなくなった。私がそっぽを向いてると車は早々に走り去ってしまった。


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