契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
そして、次はトレビの泉に足を運んだ。バロック時代に建てられた最大の噴水。
トレビの泉に背中を向けて泉に向かってコインを投げた。
一枚なら、再びローマに訪れるコトが出来る。
二枚なら大切な人と一緒に居るコトが出来る。

私は二枚…右手に握りしめて俊吾と同じタイミングで投げ入れた。

「入ったか?」

「多分」

「君は何枚入れたんだ?」

「え、あ…一枚かな…」

私は嘘をついた。
「一枚か…」

「俊吾さんは?」

「俺も一枚だ…」

俊吾も二枚じゃなかった。悲しいキモチがココロに広がる。

「ディナーの時間もあるし、帰ろうか?」

「うん」

私達の結婚は二十年で終わりを告げるのか…

でも、二十年は一緒に居られる…こんな素敵なスパダリの俊吾と…


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