契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
翌日もローマに滞在。
朝のスペイン広場を見学し、その足で高級ショッピング街を散策した。
ヴィトン、シャネルと言った日本でもお馴染みのブランド店が立ち並ぶ。

「此処に入るぞ」

「あ、うん」

彼は『ブルガリ』も店に入った。
確かマリッジリングもブルガリ。

私は自分の薬指に嵌るマリッジリングを見て、確かめた。

「この花のネックレス…素敵だな」

「えっ?」

彼はショーケースに陳列されている一つのネックレスに目を向ける。

「・・・」

でも、なんか…桁が多いような…それに、これ全部ダイヤモンドだし。

「ローマでは四枚花弁の花は幸せと喜びの象徴らしいよ。ハネムーンの想い出に買ってやる」

「で、でも・・・これ…」

「値段は気にするな…」

「気にするって…ネックレスはいいから…そこのブレスレットでいい…」

私は同じコレクションのブレスレットを選んだ。

「そうか?分かった…」

俊吾はイタリア語で店員に話し掛けた。

彼の持つクレジットカードはブラック。
最高位ステータスのクレジットカード。
私は初めて目にした。

「はい」

彼は私にブレスレットの入った紙袋を渡した。

「ありがとう…」


「ほら、次行くぞ。杏南」

「はい」

ブランド店を回って、エルメスやヴィトンのバックを私の為に購入。
彼は私の為に爆買いしていた。
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