契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
ドゥオーモ広場から北へと歩き、お土産を物色。カラフルな陶器店でシチリアレモンの絵皿を購入。
紙漉きで有名なアマルフィの絵葉書や小物も購入した。

夜の帳が下り、広場には明かりが灯る。
リストランテも営業準備に取りかかっていた。
オープンテラスのバルにはイタリア人が溢れ、陽気に笑いながらワインを飲み、談笑する姿が見える。

「さてと俺達もディナーだな。杏南」

「うん」

彼が予約した店はアマルフィでは有名な一つ星のリストランテ。

内装も豪奢でセレブ感で溢れていた。

ワイングラスはベネチアングラス。

「ハネムーンの記念にペアのベネチアングラス買ってもいいな」

「そうね…」

彼は昨日の夜のコトは何も訊いて来なかった。

本場のイタリアンを食し、ほろ酔いで海岸まで下りて、石畳を歩いた。

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