契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
夜の海岸はロマンチックで、イタリア人のカップルが人目を憚らず濃厚なキスを交わしていた。

「さすがは…外国…」

「俺達もするか?杏南」

「え、あ…それは無理…恥ずかしい…」

「そうだよな…俺も無理だ・・・」
俊吾も苦笑しながら返す。
「・・・そろそろ帰るか…杏南」

「あ…」

「どうした?」

ブレスレットがないコトに気づいた。

「ブレスレットがない!」

私は辺りを見回した。
するとキラッと宵闇に輝くブレスレットのダイヤの光が見えた。
私は慌てて落とした場所に駆け出す。するとどこからともなく現れた大柄な男性が私のブレスレットを拾い上げた。

「それは私のっ!!」


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