契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
「・・・浩平はその話知ってるのか?」

私は首を横に振った。家族で知ってるのは母だけ。

「・・・家族で知ってるのはお母さんだけよ…」

「そっか…だから…俺とその相手を重ねてフラッシュバックを起こし、過呼吸を起こしたのか・・・」

「俊吾…もしかしたら…私…貴方と…」

「…何も知らず…俺は君を傷つけていたんだな…子作りを強要して悪かった。杏南」

「俊…吾!?」

「でも・・・次の誕生日までに…」

「それはいい…杏南のココロの傷を癒すのが先決だろ?」

「でも・・・」

「いいから・・・」

彼は強い口調で言い放ち、私の手をそっと握る。

「俊吾…」

彼の深い優しさがココロの傷に染み渡っていく。

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