契約ウエディング~氷の御曹司は代役花嫁に恋の病を煩う~
帰国後、一度だけ俊吾は私を求めて来たけど、その時も過呼吸を起こし、断念した。

「妻としての役目を果たせるように頑張るから…」

「…別に無理はしなくていいよ。君のペースでいい」

「でも・・・俊吾の誕生日まで後…」

「別に杏南と一緒になったのは…子供のコトだけじゃないさ」

「でも、私は代役で…」

「・・・最初はそうかもしれないけど…今は違うだろ?世間的には俺の妻だ…」

「俊吾…」

彼の眼鏡の奥の切れ長の瞳が愛しそうに私を見ていた。

私を一途に愛してくれる俊吾の為にも何としてもトラウマを克服したかった。

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