死神は悲しそうにそう言った
願い
そして…今でも子供達のことを救ってあげたいと思うのなら,叶えてあげる,と言ってくれた。
私はもちろんお願いした。
子供達の苦しみや,悲しみが和らぎますように,と。
–––––本当に,いいの?
–––––うん。
–––––後悔は,しない?
–––––うん。
–––––そうか。それはどうもありがとう!!
彼は笑って私を褒めた。
そして帰り際,私と一緒に空を見たいと言い出した。
違和感を,感じた。
でも,もう少し彼と一緒にいたかったから,私は屋上のフェンスに立った。
残暑という言葉が似合いそうな気候だった。