兎の沈黙 うさぎのちんもく
恋する兎
ねぇ凧
私、凧が大好きで
ずっと遠くから見てたんだ
最初はね
教室の端と端だった
ただ同じ学校で
ただのクラスメイト
凧は
いつもみんなの中心で笑ってた
こんな私にも話しかけてくれた
スポーツも勉強もできて
サッカーが得意で
放課後いつも教室から
グラウンドをかけめぐる凧を見てた
日焼けしてて
キラキラしてて
眩しかった
遠くにいるのにいつもドキドキしてた
少しずつ凧が近くなって
凧の声が聞こえる距離
凧の匂いを感じられる距離
凧の体温を感じられる距離
今
凧の鼓動が聞こえる距離にいるよ
凧の笑顔
凧の仕草
いや…っていう凧の口癖
バカって私のことを言うけれど
優しく私に触れる唇
温かく私に触れる指先
全部
全部
大好きで
「…」
好きだよ…
って
いつも心で想ってた
ドクン…ドクン…ドクン…
凧の胸の中にいれる今
声に出して伝えるね