身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
部屋は自然の素材が温かいナチュラルテイストに出来上がっていた。
カラーはホワイトを基調とし、木のブラウンがホッとする心地いい落ち着いた雰囲気だ。
バルコニーからも自然を感じられるけど、部屋の中にも観葉植物が置かれていて癒される。
「佑杏は、なるべく座るか、できれば横になってること」
「はい。気を付けます」
「つい動いちゃうのを気にしてやめれば、お腹への負担も減らせる。俺がいるときは何もしなくていい。全部任せてくれていいから」
何もしなくていい、なんて言われてしまうと、やっぱり心苦しい部分は否めない。
「何もは……難しくないですか? 炊事洗濯、晴斗さんに全部任せるわけにはいかないです。外でお仕事しているのに」
それも、外科医なんて特殊な仕事だ。
手術なんかをやるわけだろうし、神経を擦り減らすに違いない。
それなのに、帰宅して家のことをやらせるなんてこと……。
「そうやって佑華さんのとこでもせっせと動いてたんだろ? 聞いてるぞ」
「えっ、お姉ちゃんから?」
私の知らない間にふたりで私の話をしていたらしい。
お姉ちゃんが、一緒に住んでいた時のことをどうやら晴斗さんに言ったようだ。