身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「体、重い?」


 ベッドルームへと向かいながら、晴斗さんが突然私のお腹に触れ訊いてくる。


「そうですね……重いかも。でも、もうしばらくこうなので、体の一部というか」

「そうだよな、重いよな」

「どうしたんですか? 突然」


 晴斗さんがどこか神妙な顔でそんなことを言うものだから、おかしくなってクスッと笑ってしまう。


「いや、男はさ、体感できないわけじゃん。体もきついだろうなって、想像したってやっぱりわからないもんだし」

「そっか……確かにそうですね」

「出産だって、男はやっぱり見守ることしかできないから、女性は本当にすごいなって思う。ふたりの子なんだから、男も痛みとか分け合えたらいいのにな」


 子どもを身籠るのは女性で、十か月間自分の体内で大きく育てていく。

 その間には、悪阻や体の変化によって引き起こされる不調があって、出産のその時も大変なのは女性ひとりだ。

 産んだ後も体が通常の状態に戻るのには時間を要するし、子どもを妊娠出産することは女性にとってかなり体の負担は大きい。

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