身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
晴斗さんの迷いのない言葉に、胸がきゅんと締め付けられる。
嬉しくて幸せで、抱き枕から晴斗さんに手を伸ばした。
晴斗さんの手が応えるように私を抱き寄せる。
「そんな風に思っていてくれたことも、今こうして一緒にいることも、私にとっては絶対に有り得ない未来で……」
「有り得ない? どうして」
「だって、晴斗さんには相応しい相手がきっといるんだと思ってましたから」
例えば、病院の偉い先生の娘だとか、同じ仕事をする女医だったりとか……漫画とかで読むと、お医者様の相手はだいたいそういう女性ばかりだ。
「何、相応しい相手って」
晴斗さんは何がおかしいのかふっと笑う。
「そんなのいない。俺は佑杏が好きだって、言ってるよな?」
〝俺は佑杏が好き〟
この破壊力の凄さといったら半端ない。
晴斗さんの腕の中で赤面すると、「可愛い」と言った彼の唇が私の唇に触れる。
あの沖縄の夜以来の口付けに、慌てて瞳を閉じた。
生温かく柔らかい晴斗さんの唇が、私の唇の弾力を確かめるように触れては離れてを繰り返す。
探るように舌先が口内に侵入してきて、少しだけ舌先が触れ合った。