身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「もっとしたいけど、今日のところは我慢」
キスを終えた代わりと言わんばかりに、晴斗さんの手が私の顔を撫でる。
額、頬、唇……その触れ方に愛情がこもっていて、体の熱まで上がっていく。
「俺のせいでお腹が張ったらまずいからな。少しは我慢しなさいって怒られる」
自嘲気味に笑って、晴斗さんはまた私を腕に抱いた。
「佑香さんが言ってたけど……ご両親は、もう?」
「はい。母は私がまだ学生だった頃にで、父は三年ほど前に」
「そっか……ちゃんと、挨拶したかったけど」
「落ち着いたら、一緒にお墓参りに行ってください」
私も、できれば両親に晴斗さんと会ってほしかった。
こんな素敵な人と一緒になることを、生きているうちに報告したかった。
「俺も、母親はもう他界してるんだ。だから、今度父親には会ってもらいたい」
「晴斗さんの、お父様に? それは、はい、もちろんなのですが……」
「また、『私なんかで』とか言おうとしてるのか?」
しっかりと考えを読まれていてぎくりとする。