身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
ベビーの衣類を扱っている店舗を何店舗か回り、カバーオールや肌着の買い足し、お宮参り用のドレスオールも購入した。
「たくさんありがとうございました。可愛くて迷っちゃいました」
買い物を終えお店を出て、晴斗さんが持ってくれている何個ものショップバッグに目をやる。
「選ぶの、楽しそうだったもんな」
「はい。女の子の服ってデザインが可愛くて」
リボンやレース、フリルなどの装飾。色もやっぱりピンクは可愛い。
歩くようになっての服もちらりと見てきたけれど、幼児用のワンピースなんかは物凄く可愛らしかった。
「確かに。これから子ども服選ぶ楽しみも増えるな」
「はい! ありがとうございます、晴斗さん」
「え、なんでありがとう?」
「だって、晴斗さんと出会えたから、この子にももうすぐ会えるんですよ」
私ひとりじゃ感じられない、喜びと幸せ。
晴斗さんと出会えたから、この子が私のところにきてくれたのだ。
「たく……なんでそういう可愛いこと言えちゃうかな」
「へっ?」
私を見下ろす晴斗さんが、穏やかな笑みを浮かべている。
前髪の上に軽くキスが降ってきて、「晴斗さん!」と思わず慌てた声を出してしまった。