身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 なんとびっくり、晴斗さんのお父様もお医者様だという。

 それも、同じ病院の心臓血管外科の部長だと聞いたものだから更に驚いた。

 お父様と晴斗さんが親子でお医者様というのにも驚いたけど、以前、晴斗さんの独り暮らしの部屋にやってきた双子のあの弟さんは、大手結婚相談所の代表取締役社長だという。

 知れば知るほどとんでもない家柄で、私に緊張するなと言うほうが無理な話だ。

 もし気に入られなかったらどうしよう……。

 最悪、反対される可能性だってあるんじゃないかと負のイメージばかりしてしまう。


「まぁ、会ってみたら俺の言ってる意味がわかると思うからいいよ。心配して損したと思うだろうから」


 私の心配をよそに、晴斗さんはお気楽にもそんなことを言って笑う。

 晴斗さんの運転する車は、私の心の準備ができる前に約束のホテルへと入っていく。

 顔を合わせる席は、お父様の好きな中華のお店を予約したと晴斗さんが言っていた。


「もう着いてるらしい」


 エントランス前でバレーパーキングサービスに車を託した晴斗さんは、私の手を引きながらスマートフォンをチェックし呟く。

 目前に迫った対面に緊張も頂点に達した時、ホテルのロビーラウンジで「おい、晴斗」と男性の声が聞こえた。

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