身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
晴斗さんが事前に話していたのだろう。
お父様は私に対して謝罪を口にし、気遣いの言葉をかけてくれる。
「いえ、そんなことは!」
晴斗さんだけが責められる話ではない。
身籠ったことは、受け入れた私にだって責任があることだ。
「でもこうして、あなたに会えたことは私も嬉しい。息子を、晴斗を選んでくれてありがとう」
そんな言葉を掛けてもらえるとは思ってもみなくて、返す言葉に詰まってしまう。
「そんな……こちらこそ、です」
胸いっぱいになってしまった私の心情を察したらしいお父様は、目尻に皺を寄せて優し気な笑みを浮かべた。
「さぁ、堅苦しいのはこのくらいにして、食べよう。佑杏さん、中華は好きかね」
「あ、はい。大好きです!」
「そうか、それは良かった。ここの中華は美味いんだ」
私の緊張を解きほぐすように、お父様は気さくに会話を弾ませてくれる。
マイナスなことばかり考えていた私の不安な気持ちは、いつの間にか少しずつ溶けていった。
当初私が勝手に想像していたお父様像と実際のお父様は全く異なり、とにかく気さくで話しやすい方だった。
私が話しやすいような雰囲気をつくってくれ、聞き手に回るのも上手。
お父様も晴斗さんのことをいろいろ話してくれた。