身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「でも、それは幸せなことだ。人生で自分がそんな風になれる相手に出会えることは、なかなかないのかもしれない。晴斗は、佑杏さんに出会えて幸せもんだ」


 お父様……。


「晴斗は、幼い頃に母親を亡くして、私だけでは十分な愛情を注いでやれなかったと思う。だから、愛情表現が上手くできないところがあるかもしれない」

「いえ、そんなことありません。晴斗さんと一緒に居られて、私はいつも幸せです」


 はっきりとそう伝えると、お父様は「そうか」と、ホッとしたように微笑を浮かべた。


「これからは、佑杏さんも私の娘だ。何かあればいつでも頼ってほしい。孫が生まれるのも、今から楽しみだよ」

「はい。不束者ですが、どうぞこれからよろしくお願いします」


 ちょうど話が締めくくられると、いいタイミングで晴斗さんがテーブルへと戻ってくる。

 スプーンを手にして、クコの実がのるとろとろの杏仁豆腐をすくい上げた。

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