身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
食事を終えると、現地のホテルでお父様とは別れた。
近々くるであろう出産の際には、顔を見に病室に来てくれると言っていた。
「お疲れ様」
帰宅後、やっとベッドに入る時間になると、重い体がホッとする。
「今日は、ありがとうございました」
「こちらこそ。出かけた上に、父親にまで会ってもらって、疲れただろ?」
「いえ。晴斗さんとデートができて、お父様にもご挨拶ができて、楽しい食事ができて……すっごく充実した一日でした」
「佑杏、楽な姿勢で横になって」
「え? こうでいいですか?」
横向きでベッドに寝そべると、晴斗さんが私の脚の横に腰を下ろす。
「ひゃっ」
「お、ごめん。脚疲れたかなと思って」
そう言って、私のふくろはぎをマッサージし始めた。
「え、そんな、晴斗さんも疲れてるのに」
「妊婦さんは脚もむくむし、今日は結構歩いたから」
「すいません……ありがとうございます」
心地のいい指圧で疲労した脚をマッサージしてもらい癒されながらも、晴斗さんに触れられているということを意識してドキドキし始める。