身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
天使を迎えるとき
「いった――」
その晩の深夜、寝室に私の声が響き渡る。
自分で自分の声に起きたような状態の中、左脚が動かせない。
「佑杏、どうした」
となりで寝ていた晴斗さんが飛び起きて、私を覗き込んだ。
「足が、足がつって」
「どっち、こっちか!?」
「はい、そっち」
私の足元へといき、足先を持ってふくろはぎが伸びるように押してくれる。
ぐーっとストレッチしてもらうと、つった足から変な力が抜けていった。
「はぁ……ありがとうございます……」
「大丈夫か」
「はい、なんとか。すみません、深夜に」
「いや、それは全然いいけど、本当につるもんなんだな、足」
今まで生きてきて寝ている間に足なんてつったことなかったのに、妊娠してから頻繁に足をつるようになった。
しかも、こうして就寝中にだ。
妊婦さんによくあることらしいけど、結構つらい。