身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
寄り添うために Side Haruto
「成海部長から聞いたよ、おめでとう!」
「ありがとうございます」
誰もいなくなったカンファレンスルームに残ってもらったのは、直属の上司である呼吸器外科の部長。
「少しお話が」と申し出ると、すでに何のことだが知っているように笑顔で肩を叩かれた。
「お前は男前のくせに浮かれた話がないと思ってたが、実はそういう相手がいたんだな」
「すみません、ご報告が遅くなり」
「いや、いいいい、構わないよ。奥さん体はどうだ」
「はい、おかげ様で」
「そうか。お前が少し席を外すのはうちとしては痛手ではあるが、今は奥さんの体を一番に気遣ってやれ。ただでさえ、我々の仕事は家族に迷惑をかけることが多い」
「ありがとうございます」
感謝を込めて深く頭を下げる。
理解のある上司で良かったと、心から思った。