身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
佑杏が出産をした日から、早四日。
ここを退院するのがあと三日後と迫り、今日申請していた育児休暇も通って内心ホッと安堵している。
初産ということもあって、とにかく安産を願っていた。
自宅での破水から始まった出産は、様々なケースの中では時間的にもスムーズなものだったと思われる。
しかし、俺にとっても初めての立ち合い出産は想像していたより壮絶で、そして神秘的で感動的だった。
男の自分には一生わかることのできない出産の尊さ。
正直、陣痛に苦しむ佑杏を目の前にして、早く解放してやってくれと慄いた。
でも、〝母は強し〟そんな言葉があることに納得がいくものをこの目で目撃した。
前にどこかで、立ち合い出産を経験するとパートナーを以前のように見られなくなると聞いたことがあったけれど、俺の場合はまるで逆だった。
もっと彼女を愛しく、前より更に好きになる。
出産を終えた佑杏は、大袈裟なんてことは全くなく俺の目にはまるで女神のようにキラキラして見えていた。