身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
昼の休憩を使って佑杏の入院する病室に向かうと、佑杏はベッドに掛け昼食を取っていた。
その近くに置かれた新生児ベッドには赤ん坊が寝ている。
俺の訪問に顔を上げた佑杏は、満面の笑みを浮かべて「晴斗さん!」と俺の名を口にした。
「食事中に悪い」
「全然いいです! むしろ嬉しい。お仕事お疲れ様です」
ベッドへと近づくと、佑杏は脚を器用に折り曲げ円座の上に座っていた。
まだ出産後間もないこともあり、会陰切開の痕が痛むらしい。
座ると痛いから円座が欠かせないと言っていた。
「晴斗さん」
箸を置いた佑杏が近づいた俺に向かって両手を広げる。
その姿が堪らなく可愛くて、吸い寄せられるように抱き締めた。
「どうした、珍しく甘えただな」
そう言いながらも嬉しくて高揚する。
佑杏のほうからも腕を回してぎゅっと抱き締めてくれた。
「ずっと一緒にいられないので、充電です」