身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました
「で、この一か月はどうだったの? 婚姻届は一緒に出しに行ったとは聞いたけど」
退院して数日後、私の体調を見て大丈夫そうな日に役所に婚姻届と出生届を提出しに行ってきた。
晴斗さんは出産前に婚姻届を提出する気で用意を進めてくれていたらしいけれど、急遽予定日よりも少し早く陣痛がきて役所に行くことができなかった。
「うん。でも、外に出たのはその時くらいかな。あとは家から出なかったし。そんな調子で一か月健診まで過ごしてたから」
「そっかそっか。じゃあ、今日は久しぶりにふたりきりで楽しんできなよ。あ、夫婦になってからは初じゃん!」
そう言われて、どこか後ろめたいような気持ちが湧き起こった。
「ねぇ、お姉ちゃん……本当にいいのかな、お姉ちゃんにみてもらって出かけるなんて」
杏莉をみててあげるから、ふたりきりで出かけてきなと少し前にお姉ちゃんに提案され、今日は晴斗さんとふたりきりで出かける予定になっている。
だけど、当日になってあれこれ心配し始めていた。
「え、なんで? 私がみててあげるって言ってるんだから、何も問題ないでしょ。私、赤ちゃんのお世話のプロだし」
「そうなんだけど……なんていうか、親として無責任じゃないかなって思ったり」