身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 晴斗さんとふたりの時間はもちろん欲しい。

 だけど、本当に杏莉をおいて出かけていいのだろうかと考えてしまう。


「佑杏が離れられないっていうなら仕方ないけど、任せられるなら問題ないよ」

「離れられないってことはないよ。相手はお姉ちゃんだし、そういう心配はしてないよ。むしろ私がみてるより安心だし」

「じゃあ、たまには息抜きしないと、参っちゃうよ? 頼れる相手がいるんだから、甘えればいいの。それは育児放棄なんかじゃないんだから」


 そう背中を押してもらうと、肩にのしかかっていた心配が軽くなる。


「うん、ありがと、お姉ちゃん」


 お姉ちゃんに抱かれる杏莉を見つめ、「ママ、ちょっとパパとお出かけしてくるね」と話し
かけた。

 それから授乳や支度を済ませ、約一時間後……。

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