身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


 逸らさない切れ長の目は、どこか熱がこもっても見える。

 途端にどきんと胸が高鳴って、久しぶりの心の揺れに鼓動が早鐘を打ち始めた。

 宿泊する予定の部屋へと到着し、晴斗さんは私を腕に抱いたままカードキーでドアを解錠する。

 部屋に入ったと同時に頬を包み込まれ、早急に深く唇を塞がれていた。

 突然のことに驚いたものの、求めるような口付けに応えようと自らも広い背中に腕を回す。

 すぐに唇を割った濃厚な口付けへと発展して、力が吸い取られるように膝から崩れ落ちそうになった。

 頬にあった手がいつの間にか腰を抱いていて、力強い腕にしっかりと体を支えられる。

 キスを続けながら晴斗さんの手が背中のファスナーを一気に下ろした。


「っ、晴斗さん、ここ、まだ入り口」


 唇が離されて慌てて声を上げるけれど、意地悪な微笑を浮かべた晴斗さんの唇は私の首筋に口付ける。

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