身ごもったら、エリート外科医の溺愛が始まりました


「初めまして。佑杏です。本日は、このような席を用意していただきありがとうございます」


 緊張しながら挨拶をすると、お祖父様は目尻に皺を刻みにっこりと微笑んだ。


「会いたかったよ。今日は楽しみにしていたんだ」

「私もお会いできまして嬉しいです」


 私たちの挨拶が済むと、晴斗さんがお祖父様にクーファンの中で眠る杏莉を見せる。


「おぉっ、小さくて可愛いなぁ。杏莉、ひい爺ちゃんだぞー」


 杏莉に声をかけてくれたお祖父様が満面の笑みを見せてくれ、こっちまで幸せな気分になる。

 杏莉に話しかけてくれるお祖父様を見つめていると、車椅子の向こうに立つお義父様が「佑杏さん、体調は良いかね」と気遣いの声をかけてくれた。


「ありがとうございます。お陰さまで変わりありません」


 そんなやり取りを交わしていると、お父様の向こうから貴晴さんと奥様が連れ添って入ってくるのが見えた。

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